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奈良印傳について

⿅革を燻した⾊に魅せられて

奈良印傳は、天平⼯⼈の技によって奈良時代に製作されたのが始まりです。
印傳唯⼀の国宝も、東⼤寺(奈良)に残っており、また、正倉院の宝物の中にも印傳の技法を⽤いた蔵が残されています。
時代とともに⿅⾰の揉製技術も改良され、武家時代になると武具に使⽤されはじめました。
なかでも甲冑には「本燻染(ほんくすべぞめ)」という特殊な染⾊法を⽤いて絵模様を染め上げ使⽤されていました。
この奈良印傳の技法を、印傳⼯房南都が四⼗数年にわたり研究試作を繰り返し、現在に蘇らせたのが奈良印傳です。

印傳の歴史

印傳の起源

Origin

奈良印傳は、天平工人の技によって奈良時代に製作されたのが始まりです。
印傳唯一の国宝も、東大寺(奈良)に残っており、正倉院の宝物の中にも印傳の技法を用いた蔵が残されています。
時代とともに鹿革の揉製技術も改良され、武家時代になると武具に使用されはじめました。
なかでも甲冑には「本燻染(ほんくすべぞめ)」という特殊な染色法を用いて絵模様を染め上げ使用されていました。

印傳工房南都では、かつて存在した鹿革で作られた紙があり、鹿の革の繊維を水にほぐし紙のようにすきあげる技法により、再現に成功しました。
現在の紙が発明される以前に、鹿革を使った「紙」と同種のものがあり、これに書いて(印刷)して伝(傳)える技術があったと推測されています。
「印傳」なる呼名もこういった過程から来ているのかもしれません。
紙製造の工程にある「漉く(すく)」という漢字に「鹿」という字が入っているのは、古くに鹿革で紙が作られていた名残とも言えます。
当工房で再現したこの鹿革は、歴史ロマンに思いを巡らすことの出来る貴重な品なのです。

─ Also used for armor

武具にも使われている印傳

鹿革が丈夫なことから、日本刀の吊革として使われていました。
日本刀の始祖とされている伝説上の刀鍛冶「天国(あまくに)」の銘がある刀の吊革部分にも印傳が使われています。
「三種の神器」のひとつ「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」や、「平家」一門の重宝である「小烏丸(こがらすまる)」の作者として知られていますが、詳しい人物像は謎です。
現在では、平安時代初期に活躍した刀工で、菟田野の地が、天国と所縁のある場所だったとする説が有力であるため、南浦太市郎は天国が菟田野印傳の発祥ではないかと推測しているようです。

─ In life

生活の中の印傳

江戸時代になり、武士の間で戦乱がなくなったことで印傳は部具としての活躍の場が一気に減りました。
武具制作の仕事がなくなった印傳職人たちは袋物、胴巻などの日用品を作り始めました。
印傳の柄に、勝ち虫のとんぼや、邪気を払う菖蒲、華やかに咲いて潔く散る小桜など武士が好む柄が多いのは、元が武具だったためなのです。
明治になり、印傳は一般庶民にも広がりました。
更に、昭和に入ると製法が簡素化され、手間がかかる染め抜き技法や燻し技法が失われてしまっていました。

制作⼯程

印傳の製造工程

Flow

革の選別
01

革の選別

焼きずり
02

焼きずり

染色
03

染色

コテ当て
04

コテ当て

裁断
05

裁断

漆おき
06

漆おき

乾燥
07

乾燥

仕上げ
08

縫製 仕上げ 検品

染抜き
革の選別
01

革の選別

焼きずり
02

焼きずり

糊置き 染め 糊落とし
03

糊置き 染め 糊落とし

天日干し
04

天日干し

縫製 仕上げ 検品
05

縫製 仕上げ 検品

いぶし
革の選別
01

革の選別

焼きずり
02

焼きずり

糸掛け
03

糸かけや柄つけ

いぶし
04

燻し

縫製 仕上げ 検品
05

縫製 仕上げ 検品

職人

南浦 太市郎

Craftsman

印傳に魅せられ、長きにわたる研究の末に、
現代に印傳の技法を蘇らせた。
2016年11月28日に現代の名工に認定され、
2020年4月29日には黄綬褒章を受章しました。
黄綬褒章

黄綬褒章

現代の名工

現代の名工

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